「農家は継がないよ」と息子が言ったそうだ
例のごとく秘密基地の隣の家庭菜園の手入れをしていた。
昨日からやっているので、いささかくたびれた。
今年から私が耕すこととなった100坪ほどの畑である。
そのほかにも200坪ほどの菜園がある。
トマトを作るミニのビニールハウスを作っている。
そこへ隣の畑を耕作しているプロ農家の教え子がやってきた。
前の菜園主が手が回らなくなり、私に使ってくれと頼まれた事情を彼にも説明した。
「この土地の地主は〇〇さんで、もう誰も農業をやる人がいない。この辺の農家は、みんな跡継ぎがいなくて、やがてパンクするだろうね。」と。
久しぶりにあった教え子だ。
教え子と言っても最初の頃の教え子で、今年で56歳になる。
彼は農家の跡を継いで田圃を中心にやっている兼業農家だ。
彼自身は、市の消防署員となったが、早くに専業農家だった父親を亡くし、後を継いだのである。
「息子は農業をやらないってさ。何千万円もかけて機械を買っても元を取れないんだから、同じカネをかけるのなら魚沼産のおいしいコシヒカリを買って食べた方がいいだって。」と、彼が笑いながら言った。
「機械を買ったの?どんなの?」
「コンバインと田植え機械で1000万円だよ。」
「え~!そんなにするの?」
「普通だよ。」
700万円のコンバイン
イメージ 画像 借り物
300万円の田植機
イメージ画像 借り物
「何度か辞めようと思ったことがあった。その度に田圃を持っている友だちから家のもやってくれと頼まれて、続けていた。ところが2年前にコンバインが壊れてしまった。そこで仕方なく新しいのを買ったわけさ。」
「農機具は、それだけじゃないよね。」
「そうだよ。トラクターも必要だし、乾燥機、籾すり機等々、全部で何千万円とかかる。公務員だから買えるんだよ。米作りだけじゃ、いくらやっても機械代を稼げないよ。」
「農家を継がないのは、わかるよ。それに最近、あちこちの農地がメガソーラーにかわっているね。」
「あれだって、20年後、30年後は、どうかなるかわからないよ。」と教え子の洞察。
より便利な農機具を買うために、一生懸命米作りをしている感じの日本の農業である。
儲けるのは農機具を売っている農機具屋さんだ。
農業は、趣味でやる時代かも知れない。
私の愛車 イセキのミニ耕耘機 6,2馬力 21万円
この愛車一台で、すべての菜園を耕している。
とうとう私の手がける菜園の広さは、300坪になってしまった。
真夏の暑い日に、私はきっと畑に突っ伏して、一生を終わるかも知れない。
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