100種類以上の野菜を作る 家庭菜園

出来るだけ固定種の野菜を作り、自家採種しています。

踏み込み式温床の利用方法

温床の発酵熱を利用して、種を発根させた。
そして、その種をポットに移植して発芽を促す。
30℃前後の温度で、休眠を覚まされた種は、たまらず根をだす。
一度目覚めた種は、もう止まらない。
次は芽を伸ばして、生長が始まる。





昔の人の知恵は素晴らしい。
電気や重油が簡単に利用できなかった昔から、落ち葉を集めて堆肥にする時に熱を出すことを知り、それを農業に利用してきた。


≪リンク記事参照≫
踏み込み温床作り|山田農場


私が子供の頃は、『苗代』と云う言葉で藁で四角に囲ったところに落ち葉をたくさん集めて、水を掛け落ち葉を踏み込んだ。これが踏み込み式温床だった。
サツマイモは6月頃に苗を植える。その前に2月の下旬ごろにサツマイモを温床に埋めて発芽させ、苗を育てる。


下の画像の白い発泡箱には、シルクスウィーツと紅はるかのサツマイモがはいっている。
昨年の暮れから越冬中のサツマイモの種芋である。
サツマイモは、最低温度が15℃ぐらい必要だ。それ以下だと腐ってしまう。
ジャガイモやサトイモなら、越冬させるのはそんなに難しくない。





下の画像は、そのサツマイモの種がどうなっているか蓋を開けて観察したものである。
奇麗な肌で、ぬくぬくと眠っていたようだ。
今月の下旬に、温床の堆肥の中に埋め込んで、発芽させる予定である。




踏み込み式温床は、微生物が藁や落ち葉をエサにして、生命活動をしている中で出す発酵熱を利用している。第一次発酵は60℃にもなる。下の画像は一次発酵の終わった堆肥である。温度は20℃から50℃ぐらいの幅がある。切り返しをやって酸素を送ると50℃にも温度が上昇するが、2週間ぐらいで20℃ぐらいに下がってしまう。
どのような微生物が生命活動をしているのかは、見ることが出来ない。
納豆菌や乳酸菌、あるいは酵母菌や麹菌などが何万、何千と云う数で生命活動しているのであろう。


今回は、画像右側の空いたスペースの切り返しをした。
真ん中に温度計が刺さっている。



切り返して水を掛けたりしたので、温度は13.4℃まで低下した。


切り返しは、糠と発酵中の米糠ボカシを投入しながら、堆肥を再発酵させるものである。
ボカシ肥料はバクテリアが活発に活動しているので、それを少し混ぜてやると一晩で爆発的に増えて、内部温度が上がっていく。