妻は私塾を経営している。家の隣の家作を教室に借りている。
教員を早期退職して塾経営者になった。
今年で14年が過ぎる。

先日、塾生の前期の入試があり、全員がー発で合格したようだ。
その事がとても嬉しかったようで、絵手紙にして子ども達に渡したようだ。

昨晩のことである。
夕食を食べようとした時に、玄関のチャイムが鳴った。
何事かと、妻が出たら見知らぬ母親だったようだ。

戻って来て、先に食事をしてくれと言われた。

前期の入試で落ちてしまって、困って来たようだった。
教室で話を聞くと言うので、一人で夕食を食べた。

戻って来て、話の内容を聞いて驚いた。

2月28日に後期の試験があるが、息子は勉強の仕方もわからないし不安で仕方がないと言う。
それで、彼方此方の進学塾を訪ねたら、全部断られたようだ。
あと1週間しか無い。
それに、母の話では5教科で70点しかとれないと言う。
それでは、さすがに無理な話である。

しかし、妻の塾は何でもあり、誰でもOkの塾である。
支援学級の生徒も受け入れたことがあったが、ちゃんと高校に行けた。
さすがに、あと8日間しかないし断ると思いきや受け入れたようだ。

合格できるかどうかはわから無いけど、一緒に勉強しましょうということだった。

入試まで、4回しか出来ない。
1回90分なので、
4日で6時間だ。数学なら間1の問題の学習だろう。
問1の(1)は正負の計算、(2)は文字式だ。
この2つを丁寧にやれば、2問で10点が取れる。

妻には、何か秘策があるのかも知れない。

聞くところによれば、母親ひとりで5人の子供を育てていると言う。
逞しい母だ。
二人の兄は高校に入ったようだ。
下に中1になる子と小5の子がいるという。

今回で懲りたので、下の二人も塾にお願いされたようだ。
こちらは大歓迎である。