100種類以上の野菜を作る 家庭菜園

出来るだけ固定種の野菜を作り、自家採種しています。

田舎風の暮らしを楽しむ場の構築

田舎風の暮らしを楽しむ場の構築


私の住んでいる街から上野までは、電車で33分で行ける。
つまりほとんど都会に住んでいるわけである。
しかしながら、ちょっと移動すれば、そこには田舎の風景が広がる。
小さな林のような山がある。


35年ぐらい前に、その山の一角に将来の宅地化を期待して100坪ほどの土地を買った。
『地目山林、現況菜園』と云う、所謂家の建てられない調整区域の土地である。
残念ながら土地バブルがはじけてしまって、調整区域のままになってしまった。
それが幸いして、今ではそこに手作りの「秘密基地」を作って、休日の余暇時間を楽しんでいるわけである。


手作りの『秘密基地のテーマ』は以下のようである。


 「田舎風の佇まい」 「廃物利用」 「もの作り小屋」 「金魚やメダカのたくさんいるハウス」「にわとり小屋」 「薪ストーブで暖をとる場所」「畑には新鮮な野菜がいっぱい」「秋にはブドウ狩りが楽しめる」「ミカンや柿やプラムやビワのある果樹園」
そして休日には、森林浴のようなリフレッシュ効果を求めて、人が集まってくる遊びの空間。
そんな大人も子供も楽しめる『遊びの場』を作りたい。


田舎風のたたずまい秘密基地の正面
薪が一年中積まれている。
   
冬場の暖をとるための燃料である。
蒔きストーブは、冬場を凌ぐ必須アイテムである。
お湯を沸かして、コーヒーを飲む。
                       
さて小屋の様子はどうなっているのだろう。
金魚の池である。
奥にあるプラ舟は、メダカの飼育用である。
         
人が集まるには、その目的が必要である。
上の画像は、夏の金魚の鑑賞会である。
金魚の種類は『らんちゅう』だ。
らんちゅうのブリーダーが集まって、その年に生まれたらんちゅうの育ち具合を確かめあう。


小さな子どもを楽しませる空間も用意してある。
にわとりを15羽ほど飼っている。
もちろん生みたての卵を食べるためである。
         



変わり種のメダカや金魚は、小さな子どもだけでなく大人も興味を引くものである。
採卵し、小さな稚魚から育てるのは難しい。
趣味家が撥ねたものを売っているペットショップで見る魚とは、質のレベルが違う。
         



遊びに来た帰りには、たくさんの野菜のプレゼントがある。
いつでも何家族分もの野菜を作ってある。
画像は冬の野菜であるが、元気に育っている。
        



誰もいない時には、一人で時間を過ごす。
ぼんやりしている時間はない。
何かしら仕事がある。
お金を稼ぐための仕事では無いが、誰かを喜ばせるための仕事である。
新鮮な取り立ての野菜をプレゼントして、嫌がる人は少ない。



夫婦での楽しみは、自宅でブドウ狩りができることである。
毎年、秋になると「ブドウ狩りバスツアー」に出かけていた。
数年前からハウスブドウが収穫できるようになった。
ブドウの種類は、2種類である。
「巨峰」と「ピオーネ」である。
         



私たち夫婦は、果物が大好きである。
ミカンの木を3本育てている。
画像は、一昨年度に100個以上の実をつけたミカンである。
そして、昨年度は大豊作の年で、3本全部にたくさんの実をつけた。
千葉県でできるミカンは、味が濃い。酸味の利いた甘いみかんである。
        



周りの畑の趣味人は、一人で楽しんでいる。
それも楽しいが、気の合う仲間と競い合いながら野菜作りをすることもまた楽しい。
画像は、友人夫婦である。
ジャガイモの収穫であるが、彼が作ったジャガイモは大豊作であった。
もう25年以上も一緒に家庭菜園を楽しんでいる。
もちろんにわとりも、彼と共同で飼育しているものだ。餌代は、月に3000円ずつ負担し合っている。


         


下の画像は、もう一つの金魚ハウスである。
私の自宅の隣に住む相棒が、廃物を利用して自力で作ったハウスである。
材料費は私が全部負担するが、施工はすべて相棒である。
以前はビニールハウスであったが、大雪が降った時に潰れてしまった。
そこで、土台はそのまま利用して、屋根だけ廃物利用で作ったものだ。
以前はランチュウを飼っていたが、アライグマに襲われてから現在ではメダカの繁殖に使用している。

  


そして、こちらのハウスは「爺の小屋」と彼の孫は言っている。小屋の管理の大部分を相棒が担当している。
          



年をとってくると、余暇時間がどんどん増えてくる。
一番簡単な余暇時間の過ごし方は、お金を稼ぐための仕事をすることである。
忙しい会社に勤めれば、朝から晩まで仕事を与えてくれる。
あっという間に一日は終わってしまう。
しかし、そのような仕事は、歳を取ると共にだんだんと体力的に辛くなっていく。



私の先輩に「仏像彫刻」と言う趣味を完成させた人がいるが、それは誰にでもできることではない。
また、私の畑づくりの友人は、マラソンとゴルフを趣味としている。
暇さえあれば走っているのが大好きな男だ。
そんなマニアックな趣味もお断りだ。
自分にあったライフワークを完成させることが、すなわち現在の私のテーマである。


定年後に山奥の片田舎に、古民家を購入してリフォームし、蕎麦屋を立ち上げて営業したり、奥様がパン作りをしたりして、夫婦で第2の人生を謳歌している番組を見たりする。テレビ朝日「人生の楽園」の番組である。


しかしながら、彼らはたまたま成功した例であるだろう。誰でも蕎麦屋を立ち上げれば、客が来て繁盛するものではないだろう。また奥様が作るパンを買いに来てくれる人がいるとも限らない。一番難しいのが片田舎のしきたりに溶け込むことだ。生き方も考え方も価値観も違う。甘い考えで、田舎に行けば大きなリスクを負うこととなるだろう。


私の考える「田舎暮らし」と云うのは、『田舎風の暮らし』を再現することである。
今までの何十年もの時間を過ごしてきた生活基盤を大事にしながら、自宅とは少し離れたところに、掘っ立て小屋を建て、そこを基地として、遊びの場を広げていくことである。